オールドドミニク蒸留所(Old Dominick Distillery)テネシーウイスキートレイル#5

テネシーウイスキートレイル#5ということでテネシー州メンフィスにあるオールドドミニク蒸留所を訪れてみました。

 

目次

オールドドミニク蒸留所

1860年代から食品卸売業を営んでいたドミニク・カナーレ(Dominick Canale)によって1880年に設立された蒸留所です。食品全般を扱う多角化経営の中の1つとしてウイスキーの蒸留が行われていましたが、1920年からの禁酒法は乗り切ることが出来ず、一旦蒸留所は閉鎖されてしまいます。ただ、会社自体の経営は非常に順調だったようでこの禁酒法時代にさらに会社規模を拡大させていったようです。

2013年に1880年代に生産されていた未開封のウイスキーが見つかり、その子孫によってウイスキーの復活が決意されました。2017年から同じメンフィスで再びウイスキーの蒸留が開始されるに至り、Alex Catleという方が再操業以来マスターディスティラーを務められています。

 

オールドドミニク蒸留所のロケーション

メンフィスのダウンタウンに位置しています。徒歩数分のところにはエルビスプレスリーやBBキングなど、偉大なミュージシャンを生み出したブルースの故郷として有名なビールストリートがあります(この日は日曜日の午前中だった為、人通りは少ないですね)。

 

ブロードウェイの公演の行われるオルフェルム劇場(国家歴史登録財)も近くにあります。

 

ストリートには路面電車も走っていて、テネシー州の観光地として非常に魅力のある街です。ですが、アメリカの中でも有数な治安の良くない地区でもあります(日中は気を付けていれば問題無いと思いますが、奇声を発している方々には遭遇します)。

 

以下、Googleマップのリンクです

www.google.co.jp

 

蒸留所見学ツアー

蒸留所のH.P.の中のTOURSというページから前日まで予約可能です。この蒸留所ですが、特にメジャーという訳ではないので、前日私が予約した時も全く予約が埋まっていない状況でした。当日蒸留所のカウンターを訪れてしまえば、よほどツアーに参加させてもらえると思います。試飲含む約1時間の見学で$15です。

olddominick.com

 

見学の様子

ツアーは私含め5名(うち2名はお子様)でした。まずは掲示されたパネルを見て、操業の歴史についての解説を聞きます。

 

当時のボトルも展示されています。解説者によると、2003年に創業当時のウイスキーが見つかり実際に試飲してみると、ウイスキーの味ではなく、飲めたものでは無かったようです。

 

ボトル詰めの工程

 

糖化(仕込み)工程

 

マッシュビルはコーン75%、ライ麦12%、大麦麦芽13%で、水はメンフィスの地下水を使用しています。

このライ麦はケンタッキー州のルイビル産の様です。コーンはミズーリ州などのものを使っているとのこと。

 

発酵工程

発酵槽は6槽あり、うち1槽が稼働中でした。

 

直接発酵槽の中に手を入れて、原料を味見させていただきました。酸っぱい風味が印象的でした。

 

蒸留工程

この蒸留所でのチャコールメローイング(サトウカエデの炭でのろ過工程)は1回です。蒸留は連続式蒸留器1回と単式蒸留器1回の計2回行われています。

 

ウイスキーだけでなく、ウォッカも生産されています。

 

試飲

工程見学の最後はウイスキーの試飲です。蒸留所で生産されているウォッカ、ジン、ムーンシャイン、ウイスキー(3種類)の試飲ができます。残念ながら、売り場で一番高価な値段で売られていた$80のシングルバッチのウイスキーはありませんでした。

 

が、なんと試飲させていただけることに…。

こちらです。

 

現在、バッチ#1、3、4が売られていますが、すべてのバッチの試飲させていただけることに…。かなり大盤振る舞いな蒸留所です。

 

飲み終えた結果…。

$15でここまで試飲させていただけるのであれば、普通にバーで飲むより安いです…。

 

シングルバッチは普通のウイスキーより雑味感がなく、まとまり良く感じました(全然違います)。お土産として一番おいしく感じたシングルバッチ#4を購入しました。

 

以上がオールドドミニク蒸留所の見学ツアーの様子でした。マイナーな蒸留所なので、人も少なく、丁寧にウイスキー造りの工程を説明いただけます。発酵工程での味見など初めての経験が出来たので、とても有意義な一日を過ごすことが出来ました。

 

この蒸留所にはバーが併設されており、見学以外でもウイスキーを味わうことが出来ます。ダウンタウンの観光地に近い場所にあるので、もしメンフィスを訪れる機会があれば、蒸留所に立ち寄ることをお勧めいたします。蒸留所の目の前にはフライドチキンで有名な、Gus's World Famous Fried Chickenもありますよ。