【アンクルニアレスト】ニアレストグリーン蒸留所(Nearest Green Distillery)テネシーウイスキートレイル#3

アンクルニアレスト(Uncle Nearest)というテネシーウイスキーが2019年から様々なコンペティションで金賞を受賞しています。私も最近Youtubeでこの銘柄の存在を知りましたが、自宅から日帰り出来る距離にこのウイスキーを作っている蒸留所があることが分かったので、早速訪れてみました。

 

目次

ニアレスト グリーン蒸留所(Nearest Green Distillery)

テネシーウイスキーで一番有名なジャックダニエル蒸留所の初代マスターディスティラーがネイサン・ニアレスト・グリーンという人物なのですが、ニアレストグリーン蒸留所はその人物名から名づけられた蒸留所になります。この方はテネシーウイスキーの製造工程で用いられるチャコールメローイング製法(サトウカエデの炭で蒸留後のウイスキーをろ過する工程)を発案した人です。

貧困家庭で育ったジャック・ダニエル少年は牧師であり蒸留所のオーナーのダン・コール家に預けられることになったのですが、13歳の時にオーナーから蒸留所を引き継ぐことになりました。その若きジャック・ダニエルにウイスキーの作り方を教えたのがこのネイサン・ニアレスト・グリーンという人物で、世界で一番売れているアメリカンウイスキーの礎を築いた人ということになります。ネイサン・ニアレスト・グリーンはアフリカ系アメリカ人初のマスターディスティラーでもありました。

ニアレストグリーン蒸留所は2017年に立ち上げられたばかりの新しいブランドですが、2019年からネイサン・ニアレスト・グリーンの子孫であるヴィクトリア・イーディ・バトラーが蒸留所のマスターディスティラーを務めています。

 

蒸留所の所在地はテネシー州の中央部、ナッシュビルから車で30分ほど南下したところにあり、近隣には牛、馬が放牧された牧草地が広がり、とても長閑なところに位置しています。

 

Goopleマップのリンク

www.google.com

 

ニアレストグリーン蒸留所のウイスキー

主に販売されているのが”UNCLE NEAREST 1856”と”UNCLE NEAREST1884”という銘柄です。1856はネイサン・ニアレスト・グリーンがチャコールメローイング製法を含むウイスキー製造プロセス(リンカーン工程)を確立した年で、1884は彼が引退した年になります。通販サイトを見ていると、日本で比較的容易に入手出来るのがこの2銘柄で、これ以外にもライウイスキーやシングルバレルなどの銘柄もあります。

 

現在販売されているウイスキーは自社で蒸留したウイスキーでは無く、提携する他の2社で蒸留されたものになります。1884が7年熟成、1856が8年~14年熟成ということで、アメリカンウイスキーの中ではかなり長い部類になるのではないでしょうか。この提携する2社のうち1社はジョージディッケルとのうわさも…。ジャックダニエルでは無いようです。

 

蒸留所のツアーの予約

見学ツアーはニアレストグリーン蒸留所のH.Pから予約出来ます。ウイスキーの試飲を含む約1時間半のツアーで、税抜き$35です。週末(特に土曜日)は満席になるので、希望の時間にツアーに参加したい場合は早い段階での予約が必須です。

このツアー、広い敷地内をけっこう歩くので、歩きやすい靴で行くことをお勧めします。

 

ニアレストグリーン蒸留所のH.P.(ツアー予約ページ)

unclenearest.com

 

ツアーの様子

蒸留所の建屋

 

ツアーの15分前までに建屋内の受付カウンターに行くことを推奨されています。

 

まずはニアレストグリーン蒸留所やウイスキー詳細(敷地の大きさ、設立年度、ウイスキーに使われる原料、蒸留所の事業についてなど)説明を受けます。この蒸留所は主に3つの事業を行っており、ひとつがウイスキーの販売、それ以外にウォーキングホースの育成、レストランの経営などがあります。

 

この後、美しいステンドグラスのある部屋に移動し、アンクルニアレストの歴史についての話を聞き、動画を見ます。

 

動画はYoutubeでも公開されています。

www.youtube.com

 

説明が終わるといよいよ徒歩での敷地内の散策になります。

 

建物は厩舎などの牧場をイメージしたものが多いです。

 

天気の良い小春日和にのどかな敷地内を歩くのは本当に癒されます


こちらは蒸留工程の建屋になりますが、残念ながら中には入れませんでした。まだ建設されたばかりで、2023年現在、蒸留は行っていなさそう?です。(建屋前での説明では、私の聞き間違いがなければ"Not yet"と言っていたような…)

 

ウイスキーの原料についても説明を受けましたが、コーン、ライ麦などの話はしていたものの、詳細のマッシュビルについては言及していなかったと思います(私が聞き取れなかっただけかもしれませんが…)。

 

次はボトリング工程です。こちらは建屋内を見学出来ます。ただ参加したツアーは日曜日だったため、残念ながら非稼働でした。

 

次にウイスキーの試飲です。ウイスキーの特徴について説明を受けながらの試飲になります。

 

試飲出来るのは5種類。ペットボトルのチェイサーもついてきます。(真ん中のMASTER BLEND EDITIONが一番高額です)

 

最後にウイスキーの熟成工程の見学です。

 

以上が蒸留所の見学ツアーの様子でした。

のどかな蒸留所内を歩いているだけでかなり癒されました。ただ実際の蒸留の様子が見れないので、その工程が見学したい方にはおすすめ出来ない内容となっております。試飲込みですが$35は結構高額なツアーだと思います。

自社での蒸留が本格的に開始されれば、いずれツアーで蒸留工程も見学出来るようになると思うので、もし機会があればその時を待ってでも良いのかもしれません。

 

あと、蒸留所では定期的に音楽イベントも行っております。その時に敷地内に入れるので、このイベントを利用して訪れてみるのも良いかもしれません。

 

P.S.

帰りに1本ウイスキーを購入して帰りました

 

購入したのは”シングルバレル”です。