(JIM BEAM Distillery) ジムビーム蒸留所【バーボントレイル#8】

バーボントレイル第8弾ということで、日本でおなじみジムビームハイボールで有名なジムビーム蒸留所の様子を紹介します。

 

 

過去のバーボントレイル#7の記事はこちらから

essentialquality.hatenablog.com

 

目次

 

ジムビーム蒸留所

トウモロコシ農場の開拓者であったジェイコブ・ビームによって1795年にはじめてのウイスキーが販売されたのがはじまり。以降親族にウイスキー製造は受け継がれ、鉄道網発展にともないう蒸留所の移転や蒸留工程の改良が行われ、1894年、James Beauregard Beamに蒸留所は引き継がれる。1900年代初頭にかけてバーボンはさらに成長したが、1920年に施行されたアメリカ合衆国における禁酒法によりウイスキー事業はすべて停止された。1933年、禁酒法が廃止されるとケンタッキー州クレルモントに蒸留所を再建。1935年にJim B. Beam Distilling Companyとして再設立され、そのバーボンをジムビームの名で販売される。2014年、サントリーホールディンクス株式会社により買収され、以降ビームサントリーとして売上世界No.1バーボンの生産が行われている。

 

ジムビーム蒸留所のロケーション

ジムビームの本拠地があるはルイビル市内から30分ほどのところ。基本ここで見学ツアーが行われる。それ以外にもBOOKER NOE PlantやOld Grand-Dad Plantなどが同じケンタッキー州にあるが2024年現在、見学ツアーなどは行われていない模様。

 

蒸留所のツアー

プラント見学や試飲などの各種ツアーが行われている。予約は蒸留所のH/Pから行うが、予約無しでもツアーに空きがあれば、当日参加出来る。予約有無にかかわらず、現地に到着したらまずビジターセンターのカウンター(下の写真)に行きツアーの受付を行う。

 

私が参加したのはMaturation Matters Warehouse Tour ($20)という熟成倉庫だけを見学するツアー。2024年現在はこのツアーは行われていない(今思うと、生産プロセスを見ることが出来るツアーがありながら、なぜ熟成倉庫だけを見学するツアーを選んでしまったのか…)。

 

蒸留所のH/Pリンク

www.beamdistilling.com

さすがサントリーの資本が入っているだけありH/Pの言語を日本語選択することが出来る。

 

見学ツアーの様子

ビジターセンター前の広場からシャトルバスに乗るところからツアー開始

 

バス内ではガイドによる簡単なツアーの概要説明が行われる。

 

1~2分バスに乗ったところで目的の熟成倉庫に到着。それにしても壮大…

 

ひんやりとした熟成倉庫の中を進む。

 

一番奥に進んだところでウイスキーの熟成、熟成倉庫についての説明が行われる。

 

このクレルモントの敷地内だけでも800,000バレルが貯蔵されているのはさすがの規模…。

 

エンジェルズシェアの説明。

 

それにしても所狭しと置かれている倉庫内の景色は壮観…。

 

日本語の書かれた樽も…

 

熟成についての一通りの説明が終わると、倉庫内での試飲タイム。この樽はジムビーム銘柄として出荷されるものらしい(多分白ラベルのあれですね)。

 

まずは熟成前のニューポットから

 

次は熟成中のウイスキー。参加者によってサンプリングが行われる。

 

この試飲でツアーは終了。全体を通して30分弱の工程でした。

 

この後ビジターセンターへバスで戻りショッピングタイム。

 

日本ではなかなかお目にかかれないウイスキーも売られています。

 

お土産にベイゼルヘイデンの”レッドワインカスクフィニッシュ”を購入してみました。

 

以上がジムビームの熟成倉庫見学ツアーでした。

やはり熟成倉庫だけの見学ではちょっと物足りない感じは否めませんでしたが、この巨大な倉庫建屋に入ることができたのは良い経験でした。もう一度訪れるチャンスがあれば、生産工程が見られるツアーにも参加してみたいと思います。

 

P.S.

敷地内にはレストランもあるので、ウイスキーを飲みながらの食事も出来ます。

 

さいごに敷地内で撮影した写真を何枚か…

 

コルセア蒸留所(CORSAIR Distillery)テネシーウイスキートレイル#7

テネシーウイスキートレイル第7弾ということでナッシュビルにあるコルセア蒸留所を紹介します。

 

テネシーウイスキートレイル#6の記事はこちらから

essentialquality.hatenablog.com

 

目次

 

コルセア蒸留所

テネシー州ナッシュビル市内に本社とマラソンビレッジの2拠点でスピリッツクラフトビールを製造する蒸留所。2008年にケンタッキー州ボーリンググリーンで操業、2010年からはナッシュビル市内のマラソンモーターワークス跡地であるマラソンビレッジに移転しウイスキーの蒸留を開始。2016年には本社工場を開設したことでより大規模での生産体制を整えた。同じくしてスピリッツの蒸留を行っていたマラソンビレッジではクラフトビールの醸造を開始。材料も地元産のものを使用しており、ナッシュビル出身の創業者の思いが込められる。なおコルセアは禁酒法以降はじめてテネシー州で操業されたクラフト蒸留所でもある。

 

マラソンモーターワークス

1900年代初頭にナッシュビルに存在した自動車会社。現在はその工場跡地が観光資源として活用され、コルセア蒸留所をはじめ、アンティークショップ、衣料品店、ギフトショップ、ライブ会場など様々なカテゴリーのテナントが入居している。ジャックダニエル、テネシーレジェンド蒸留所のアンテナショップやバーなどもあり、お酒の楽しめるテナントも多い。

昨年、マラソンモーターワークス跡地をメインにテネシーレジェンド蒸留所について書いているので、よろしければこちらもご覧ください。

essentialquality.hatenablog.com

 

蒸留所での試飲

マラソンモーターワークス建屋の一番右端(東端)に位置するのがコルセア蒸留所。クラフトビール楽しめるタップルームとスピリッツを試飲出来るテイスティングバーが分かれて配置されている。

 

今回はスピリッツを求めての訪問であったので、テイスティングバーのほうへお邪魔してみました。

 

テイスティングは5種類で$11(1種類からでも試飲可)で、ジン、ラム酒、バレルド(樽熟成)ジン、ライウイスキー、ウイスキー。各コンペティションにおいて多くの受賞歴があるスピリッツが楽しめる。

 

チェイサーと一緒に写真左のアメリカンジンから順番に提供。

 

それぞれのスピリッツの特徴についてバーテンダーから説明を受けながらの試飲。

 

一番特徴的で美味しく感じたのが、バレルドジン。使われているボタニカルは通常のアメリカンジンと同じ(ジュニパーベリー、オレンジピール、他)だが、蒸留後にラム酒の樽で3か月間熟成が行われているもの。ラム酒樽の香りが加わり、通常のジンより複雑で香り豊かな仕上がりになっている。

 

先ほど紹介した5つのスピリッツに加え、ウォッカ、ブランデー、アブサンなども試飲出来る。

 

タップルームの様子

こちらは物静かなテイスティングバーとは違いかなりの賑わい。現地で醸造されるクラフトビールを楽しめるのはうれしい。ビールの他、カクテルピザも提供される。

こちらはまた別の機会に訪れてみることにします。

 

ギフトショップ

テイスティングバーに併設されるギフトショップ。蒸留所ブランドのアイテムが並ぶ。

 

さまざまな蒸留所で良く見かけるバーベキューソース。購入した経験はないが、スピリッツの風味が楽しめる代物なのでしょうか?

 

蒸留所ツアー

蒸留所ではツアーも行われており、当日現地での申し込み可。H/Pから事前予約も出来る。週末は1日5回、平日は4回のツアーが組まれているが、特に週末は予約で埋まることもあり、H/Pからの事前予約が推奨。試飲込みで1時間のツアーとなるが、稼働中の工程を見れる訳では無さそうなので、テイスティングがメインの模様。ツアー料金は$18。本社でもツアーが行われているが、こちらが熟成工程、ボトリング工程なども見学出来るとのこと。

www.corsairdistillery.com

 

以上がコルセア蒸留所の紹介でした。

マラソンモーターワークスへは再訪という形でしたが、歴史を感じるこの建屋は本当に趣深いです。お酒関係無しにナッシュビルに訪れた際はここを訪れることをお勧めします。

最期に、マラソンモーターワークスを撮影した写真をお届けしたいと思います。

 

【Cheese Wow】サンデーブランチ(手抜きアヒージョとクラッカー)

2月半ばの小春日和にありものを使って、手軽に作れるアヒージョクラッカーでサンデーブランチを楽しんでみました。

 

先回のブランチの記事はこちらから

essentialquality.hatenablog.com

 

目次

 

手抜きアヒージョ

準備した食材

マッシュルーム、冷凍エビ、にんにく、とうがらし、アンチョビ(3切れ)、オリーブオイル、塩

 

作り方

すべての食材を鍋に入れ、オリーブオイルを食材の半分ほどの高さまで入れる(オリーブオイルはひたひたになるまで入れるともったいないので少な目…)。にんにくは火が通りやすいよう、極力鍋底に配置。

 

加熱は中火で。ある程度火の入ったところで軽く塩を振り味付け、全体に火が通ったところで乾燥パセリをふりかけて完成。

塩少な目の味付けですが、エビ(冷凍ですが…)のうまみと、アンチョビの塩気が効いて、物足りなさはありません。

 

ジントニックと一緒にいただきます

最高においしい…。

 

オリーブオイルが結構余り気味になったので、冷凍ポテトを使って、じゃがいものアヒージョを作ってみました。

 

最近値上がり気味のWalmartの冷凍ポテト(2.27kgで$7.97)

 

作り方

冷凍ポテトを電子レンジで解凍。その後鍋に入れてに火が通るまで強火で加熱

 

完成

感想

不味くはない…。やはり冷凍ポテトはオイル漬けのアヒージョで食べるより、カリッと揚げて油をきって供したほうが良さそう…。生のじゃがいもを使ったら良かったのかどうなのか?今度再チャレンジしてみます。

 

手抜きクラッカー

どうもお酒が飲み足りないので、ありものの食材をクラッカーにのせておつまみにしてみました。

 

準備した食材

クラッカー、バジルペースト、チーズ(スプレー缶タイプ)、ポークパテ

 

スプレー缶に入ったチーズ

最近アメリカのスーパーで良く見かけます。こちらはWalmartブランドのものですが、ナビスコ製も売っています(多分ナビスコ製が元祖)。

こちらの商品、YoutuberのKevin's English Roomでも取り上げていました。

www.youtube.com

 

値段は下の写真の感じ…。ナビスコ製の$5.24って日本円換算で800円(1$:150円)、結構お高い…。私は安価な$2.57のWalmartブランドで十分…。Walmartブランドは今回購入した青色のアメリカンに加え、黄色のチェダー、橙色のシャープチェダーがあります。アメリカのチェダーは過去の経験上、結構くどいのではないかと想像…。

 

ポークパテ

こちらの商品はWakmartで$0.66で売られている(アメリカの物価を考えるとかなり安い)。いわゆるレバーのパテと言われるものと比べてくせも無く、こどもでも食べやすい味付けの仕上がり(豚のど部位を使っているかは不明…かなり怪しい?)。

 

こんな感じに並べてみました(左からバジル、ポークパテ、スプレーチーズ)

 

合わせるお酒はE.H.テーラー。先日バッファロートレース蒸留所に行ったときに買ってきました(こちらの値段で$45…これは日本で買うよりも安いかな…)。

ウイスキー(ストレート)とクラッカーは最高の組み合わせです。この中ではポークパテが一番合うかな…。

 

オイルサーディンものせてみました。これが一番おいしかった…。

 

以上、朝からただお酒を飲んだだけのレポートでした。

仕事に追われる日々ですが、休日の小春日和の中、ゆっくりとお酒を飲むこのひとときは最高に良いですね。

P.S.

先日行ったバッファロートレース蒸留所は歴史的建造物が多く非常に趣深い場所です。過去のブログで紹介しておりますので、ぜひこちらもご覧ください。

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(Heaven Hill Distillery) ヘブン・ヒル蒸留所【バーボントレイル#7】

バーボントレイル第7弾ということで、エライジャクレイグで有名なヘブン・ヒル蒸留所を紹介します。



バーボントレイル#6の記事は以下から

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目次

 

ヘブン・ヒル蒸留所とは

ケンタッキー州バーズタウンにある第2位のバーボンウイスキーの生産規模をほこる蒸留所。1935年にシャピラ5人兄弟により操業開始(1935年というとアメリカ合衆国における禁酒法時代が廃止された後)。ヘブン・ヒル蒸留所の名はその土地の所有者であったウィリアム ヘブンヒルから。1996年に落雷により蒸留所が消失してしまうが、1999年にルイヴィルのバーンハイム蒸留所を買収し操業を継続。その後、バーズタウンに再建されたのが、現在のヘブン・ヒル蒸留所。ヘブン・ヒル社として様々な銘柄が生産されているが、その中でも有名なのが、エライジャクレイグ、エヴァンウイリアムス、I.W.ハーパーなど。

 

蒸留所のロケーション

ルイヴィル、レキシントンから車で約1時間、ケンタッキー州を横断するブルーブラスハイウェイのEXIT25から5分ほどとアクセスが良い。周辺にはWalmartもあり人も結構住んでいる地区。

 

蒸留所のツアー

4つのテイスティングツアーが選択できます。内容は蒸留所を紹介するムービーの視聴テイスティングおよび展示室見学(ガイド無し)。実際の発酵、蒸留の工程を見学出来るツアーはH/Pの説明を読む限り無さそう…。ツアーの予約は蒸留所のH/PのVISIT USから行います。

heavenhilldistillery.com

一番安いツアーで$18から。一番高い$40のツアーでは購入したボトルをカスタマイズできる様です(詳細不明)。

 

ツアーの様子

写真はツアー手続きのカウンター。私はH/Pから予約して行ったが、カウンターにツアー料金が書かれていることを考えると、予約無しでも参加出来そう。

 

手続きが終わると、ウイスキーを試飲させてもらえる。ウェルカムドリンクといったところでしょうか。

 

ノーマルなウイスキーとフレーバードウイスキーが数種類ありました。フレーバーウイスキーをミックスして飲むのが推奨ということで、私もアップルとベリーをミックスしたものをいただきました。

 

ツアーの始まり

熟成樽の形をしたシアター前からツアー開始。

 

樽型シアターの中

 

ここで数分間の蒸留所紹介の映像を見ます

 

動画が終わるとテイスティングルームへ移動

 

$18のツアーは5種類のテイスティングが出来る。ヘブン・ヒル蒸留所のマッシュビルは5種類あるので、それらすべてを試飲出来るというのがコンセプト(プレミアムなものは無く、スタンダードなウイスキーのみ)。

$25のツアーではプレミアムバーボンの試飲が出来るようです。

 

試飲は手前のウイスキーからガイドの説明を聞きながら行う。ガイダンスでは蒸留所についての説明も合わせて行われる。ガイドによるとヘブン・ヒルの年間生産能力は90万樽とのこと…さすがですね。敷地周辺には醸造倉庫がそこら中にありました。

銘柄説明ですが、基本英語で良く分かりませんでしたが、エライジャクレイグは何となく知っていたので、英語でも分かりやすかった…。

 

3番目がエライジャクレイグ、4番目がエライジャクレイグ ライ、この間にチョコレートを食べることを推奨されます。スパイシーなライウイスキーはチョコレートと相性良いのでしょうか…。

 

今回初めて飲んだのが、5番目のMellow Corn。通常バーボンは原料の51%がコーンと定義されているが、Mellow Cornは80%以上がコーン(コーンウイスキーに分類)。正直一番飲みにくかった…。

 

写真右から順番に試飲しました

ツアーはすべての試飲が完了したところで終了(全工程45分)。

 

最後にギフトショップでお土産が購入出来ます。

 

お土産に日本であまり見かけないFive Brothers (90Proof) という銘柄を購入。

お値段$79.9とお高かったです…

以上がヘブンヒル蒸留所のツアーの様子でした。

事前にH/Pをよく読まず予約してしまった為、当日ウイスキー生産工程が見れないことが分かったときは残念でした。H/Pには3Dツアーもあるので、そちらで工程見学したつもりになりたいと思います…。

 

ちなみにヘブン・ヒル蒸留所はDSP KY-1 (Distilled Spirits Plant Numbers) です。

 

【Sloppy Joe】スロッピージョー(缶詰を使ったお手軽ハンバーガー)

今回はアメリカで超メジャーな料理?のスロッピージョーを作っていきます。

 

目次

 

スロッピージョーはどんな料理?

スロッピージョーは合挽き肉、玉ねぎなどの具材をトマトソース、ウスターソースなどをベースに味付けをして、それをバンズに挟んで供されるハンバーガーです。言ってしまえばミートソースをバンズに挟んで食べるだけ…。

ちなみに”スロッピー”を翻訳してみると"ずさんな"とか"ぐちゃくちゃな"という意味です。確かに具材はパテのように成形されていないのでぐちゃぐちゃしているし、食べる時にボロボロこぼれるので周りもぐちゃぐちゃに…。

 

準備した食材

①スロッピー ジョーのソース缶詰

②牛挽肉

③バンズ

 

今回使ったスロッピージョーのソースの缶詰(WalmartGreat Valueブランド)、Walmartで$0.98でした(かなり安い…)。

ちなみにHEINZ社やDel Monte社からもスロッピージョーのソースの缶詰は発売されています。両社の日本語H.P.を検索しましたが、日本で売られている商品のラインナップからは見つかりませんでした(ですが、楽天市場で売られている)。コストコとか行けば普通に見つかるかも…。

 

今回買った挽肉は巨大サイズ(5LBなので約2.25kg)。Walmartで$19.64

 

作り方

①挽肉をフライパンで炒める

②火が通ったところでスロッピージョーのソースを加える(結構油が飛び散る)

③しばらく加熱しソース完成

 

④バンズをオーブントースターで焼く

⑤バンスに具材を挟んで完成

 

試食

そうぞう通りの味、まあまあ美味しい…。すぐにリピートしたくなる味でも無い。子供向けのパーティーとかではありかな?ただ、普通のハンバーガーのほうがおいしいと感じる…。

今回はバンズに挟んで食べたが具材が落ちやすいので、ホットドック用のパンに挟んだほうが食べやすそう。

 

わざわざ缶詰を使わなくても、トマトソース(もしくはケチャップ)とウスターソースを適当に混ぜておけば作れそうな味なので、簡単に再現出来ると思います。

 

P.S.

某大手のレシピサイトでスロッピージョーで検索してみると様々なレシピが出てきますよ。

 

(Maker's Mark Distillery)メーカーズマーク蒸留所【バーボントレイル#6】

バーボントレイル第6弾ということで、赤い封蝋で有名なメーカーズマーク蒸留所を紹介します。

 

バーボントレイル#5の記事は以下から

essentialquality.hatenablog.com

 

 

目次

メーカーズマーク蒸留所とは

1953年にT. William "Bill" Samuels Sr.によって購入されたバークス蒸留所が起源。旧バークス蒸留所はCharles Burksにより1805年に建てられた水力製粉所がはじまりで、その後ウイスキーの蒸留が開始された。この蒸留所は1974年に国家歴史登録財に登録され、1980年にバークス蒸留所の名で国定歴史建造物にも指定される。メーカーズマークとしてのウイスキーは1958年より出荷が始まり、当時より赤い蝋での封蝋が行われている。その後何度かオーナーが変わるが、2005年にFortune Brandsに買収され、そのFortune Brandsは2011年に分社化され、アルコール事業はジムビームのBeams inc.となる。2014年にはBeams inc.はサントリーによって買収され、現在もビームサントリーの所有となっている。

 

ロケーション

ルイビルからは車で1時間強。蒸留所への経路はナビがかなり狭い道を選択してくるから注意。蒸留所へ到着する直前に対向車とすれ違うことも困難な森の中を通るルートを選択させられた(Google的には一番の近道を提示したかったのだろうが…)。蒸留所周辺は耕作地と森に囲まれて自然豊かな環境。

 

蒸留所見学の予約

蒸留所の見学はメーカーズマークのH/Pより行う。H/P内のDistilleryのタブの中からVisit USを選択すると様々なツアーが選択出来る。

The Maker's Mark Tour ($24):スタンダードなもので蒸留工程や熟成庫を見学

Behind the Bourbon($65):より深く製造プロセスが見学出来るコース

その他ツアーもあり(詳細はH/Pから)

www.makersmark.com

 

後ほど写真でツアーの様子を紹介するが、私の選んだThe Maker’s Mark Tourでは、残念ながらメーカーズマークの代名詞と言っていい封蝋工程を見ることが出来なかった。改めてH/Pからツアーの詳細を確認してみると、Behind the Bourbonのツアーの説明には"Bottling"の記載がされているので、このツアーを選択すれば、栓封工程を見学出来ると思われる。

 

以下、H/Pのツアー予約ページのキャプチャ

 

見学ツアーの様子

まずはビジターセンターに行き受付を行う

 

ビジターセンターの中は美術館のように美しい

 

建屋の外からツアー開始

 

まずは仕込み工程

ここでメーカーズマークのマッシュビルの説明を受ける。有名な話だが、メーカーズマークは一般的にバーボンで使われているライ麦の代わりに冬小麦を材料に使う。仕込み水は敷地の良質な湧水を使用。

 

発酵工程

木製の発酵槽が使われている。この発酵槽はメーカーズマーク以前のバークス蒸留所から使われているものらしい。昔からこの槽にいる酵母が、現在も変わらぬ風味を引き継いでいるのだと思います。

 

メーカーズマークのラベルをカットする工程

 

次は熟成庫の中へ

 

熟成樽の説明を受ける。樽の中を焼く話もされます。

 

時期を見て熟成樽の位置はローテーションされる。建屋の上部と下部では温度の違いがあり、熟成度合い、風味などが異なる。均一に仕上げる為にもローテーションは欠かせない作業。

 

メーカーズマーク46のライムストーン貯蔵庫


ここは熟成されたメーカーズマークの樽に、焼かれた10枚のフレンチオークの板を入れて数か月後熟させる工程。より深い樽感と複雑な風味を加えることになるのでしょう。メーカーズマーク46の"46"の意味は、この焼かれた板が46番目にオーダーしたもので、結果最良のウイスキーを生み出し、それが今も引き継がれている。

 

ボトリング工程

 

ツアーの最後は試飲

このツアーでは4種類のウイスキーの試飲が出来る

写真左から、メーカーズマーク、カスクストレングス、メーカーズマーク46、プライベートセレクト

 

以上がメーカーズマーク蒸留所のツアーの様子でした。

 

この蒸留所の一番の印象は美術館のように美しい事。訪問時が12月中旬ということでクリスマス仕様に装飾されていましたが、普段から展示されている美術品や建屋内のステンドグラスなど訪問者の目を楽しませてくれます。今回見たかった封蝋工程は見学出来ませんでしたが、それでも来て良かったと思わせるツアーでした。

 

最後に場内の美しい風景を

 

(Buffalo Trace Distillery)バッファロートレース蒸留所【バーボントレイル#5】

バーボントレイル第5弾ということで、ケンタッキー州フランクフォートにあるバッファロートレース蒸留所を紹介します。

 


目次

バッファロートレース蒸留所とは

1775年に創業を開始し、現在アメリカで継続稼働している蒸留所としては最古と言われている。過去何度か改名されているが、バッファロートレース蒸留所という名前になったのは1999年から。その名が示す通り、この蒸留所の地がかつて野生のバッファローの通り道(トレース)であったことが由来とされている(改名前はエンシャントエイジ蒸留所)。現在の所有はライウイスキーで有名なサゼラック・ライのサゼラック社。現在生産されている主な銘柄は、バッファロートレース、ブラントン、ジョージTスタック、ウェラー、サゼラック ライなど(まだまだあります)。

 

ロケーション

蒸留所のあるフランクフォートの町はケンタッキー州北中部にあり、レキシントンからは車で1時間弱。周りを山に囲まれ、ケンタッキー川が通るとても自然が豊か環境。

 

ツアーの予約

この蒸留所の見学ツアーはなんと”無料”、ただしH/Pから事前予約が必要。人気の蒸留所かつ無料ということもあり、予約がいっぱいになっていることが多い。キャンセル待ちもあるが、とくに直前は休日、平日問わず予約はフルと考えていい(私も訪問の2か月ほど前、たまたま土曜日のお昼の1ツアーだけフルになっていないところを見つけ、幸いにも予約出来た)。

 

予約はH/PのVisit USのページから。蒸留所の敷地散策と熟成庫がメインのThe Trace Tour、蒸留の様子が見学出来るHard Hat Tour、蒸留所の歴史をたどるOld Taylor tourがあります。

www.buffalotracedistillery.com

 

私が予約したのはThe Trace Tour。本当はHard Hat Tourに参加したかったのですが、フルで空いていませんでした…。

 

ツアーの様子

まず蒸留所に到着したら、ビジターセンターへ。

 

ここで予約の確認とツアーの受付を行う(身分証明書の提示が必要)。

 

受付が終わるとギフトショップへ行き、ツアーの開始を待つように指示される。

 

ギフトショップ内のこの場所でツアーの開始を待つ。

 

開始時間になるとガイドの方(下の写真の中央の方)が来て建屋の外からツアー開始。お決まりの蒸留所の歴史の話からスタートし、なぜこの地がウイスキー作りに向いているか、ニューオーリンズとの関わりについてなどの話を聞く。

 

次に敷地の散策

すべての建屋に歴史を感じる。この蒸留所は2001年に国家歴史登録財に登録され、2013年に国定歴史建造物に指定されている。

 

散策中に建屋を繋いでいるパイプラインについての説明を受ける。この中には蒸気が走っていて、熟成庫の温度を保つために使われているとのこと。見た目がジェットコースターなので、ガイドの方はディズニーランドと言っていました。

 

熟成樽の生産建屋

 

ここでは樽の作り方、木材の種類、樽の内側を焦がすことなどの説明を受ける

 

樽へ詰め込み工程

外から眺めるだけで中は見学出来ません。

 

熟成倉庫

 

香ばしい樽の香りとひんやりとした感じがたまりません。

 

こちらの樽は2010年に樽詰めしたマッシュビル#1のものみたいです

 

ブラントンのボトリング工程

 

ここでビン詰め、ラベリング、パッケージングを行う

 

こちらはブラントンに使われる馬と騎手をモチーフにしたキャップ。ケンタッキーダービー馬と騎手がモデルになっており全部で8種類。

 

ツアーの最後は試飲

ここではウイスキーのマッシュビルの説明も聞くことが出来る。バッファロートレース蒸留所のマッシュビルは4種類で

Mash Bill #1(ライ麦10%以下):バッファロートレースなど

Mash Bill #2(ライ麦12~15%):ブラントンなど

Wheated Mash bill:W.L.ウェラーなど

Ray Mash Bill:サゼラック ライなど

 

試飲出来るのは6種類

写真左から、ウォッカ、バッファロートレース、W.L.ウェラー、E.H.テーラー、バーボンクリーム、バーボン樽で熟成したビール

 

バッファロートレースは過去飲んだことがあり、あらためて飲みやすいウイスキーだなとの感想。意外においしかったのがバーボンクリーム。ウイスキーをクリームで割ったものですが、アルコール度数も20%程度で飲みやすくなかりおいしい(あまりにも美味しかったので帰りにおみやけで購入しました)。この中で一番高価なのはE.T.テーラーでしょうか?こちらのマッシュビルは#1で、長期熟成でアルコール度数50%。

 

最後にギフトショップを見て終了。

 

以上がバッファロートレース蒸留所の様子でした。

歴史あるあこがれの蒸留所であったので、今回初めて訪れることが出来て感動でした。建物ひとつひとつに歴史を感じることが出来、何もかもが美しく映ります。

今回のツアーでは蒸留設備の見学は含まれていなかったので、次はそちらの見学が出来る様、H/Pから予約の空きを探していきたいと思います。