アメリカの競馬場巡りということで、今回はプリークネスステークスの開催地であるピムリコ競馬場の様子を紹介したいと思います。
目次
ピムリコ競馬場とは
1870年に開場されたメリーランド州ボルチモアの郊外にある競馬場で、収容人数は約10万人規模。看板レースであるアメリカ3冠第2戦のプリークネスステークスは1873年に創設され、2024年で149回開催となる。過去には伝説となった3冠馬ウォーアドミラルとシービスケットとのマッチレースが行われた競馬場としても知られ、その戦ったピムリコスペシャル(ダート 1 3/16mile)はG3として現在もピムリコ競馬場で行われている。
本場での競馬開催はプリークネスステークスの行われる5月から6月初旬、あと秋開催が9月に少し行われる程度で、それ以外の期間は同じメリーランド州にあるローレルパーク競馬場が主に本場開催となる。
2024年より競馬場の大規模な改修工事が行われる予定で、2026年のプリークネスステークスはローレルパーク競馬場で行われる計画。
ピムリコ競馬場のロケーションとアクセス
公共交通機関でのアクセス
Metro Subway Linkという地下鉄のRogers Avenue Metro駅から1マイルほどの距離にある。Metro Subway Linkはボルチモアワシントン国際空港には直結しておらず、空港からアクセスする場合、まずLight Rail linkに乗車し、ボルチモアのダウンタウン周辺でMetro Subway Linkへの乗り換えが必要。
ただ競馬場から空港は車で30分程の距離なので、治安も考えるとウーバーを使うほうが無難だと思われる…。
Metro Subwey linkとLight Rail linkのH/P
基本は車でのアクセスが一般的で、競馬場には無料の大規模な駐車場が設置されている。プリークネスステークス当日はすべての場内駐車場が有料となり、2024年当日は最安の駐車場でも$65(手数料込みで$74)とかなり高額。競馬場近くの民家では庭先を$30~40ほどで駐車場として解放しているのを何か所か見かけたが、いかがなものでしょうか…。
プリークネスステークス当日は昼頃に車で競馬場へ向かったが、とくに渋滞などは無くすんなりと競馬場に入ることが出来た。
競馬場到着時の駐車場の様子。G1当日(それも3冠レース)なのにかなりガラガラ。プリークネスステークスが夕方7時過ぎ発走なので、昼頃はこんなもの?…。
競馬場の様子(プリークネスステークス当日)
競馬場前では入場券の確認と結構厳しく持ち物とボディチェックが行われていた。
ボディチェックが完了すると場内へ。当日はあいにくの雨で、スタンド前は泥でぐちゃぐちゃ。
古いスタンドは幕が張られ解放さえていない。
観戦席の様子
スタンド前の指定席(1席$168)。目の前が馬場でレースは観戦しやすいが、雨を遮るものが何もない…。
チケットを購入したのは3か月ほど前でしたが、何か雨の嫌な予感がしていたので、スタンド屋内の指定席を購入していた。
スタンド3階席(こちらは1席$162から)。天気も的中しついてるなと思ったらなんと…
自分の席周辺は天井に穴が開いていて雨漏り…ありえん…
スタッフに言ったら、空いている好きな席に座れば言いと適当なことを言われる…。マジか?と思ったら、意外なことにプリークネスステークス直前でもこのスタンドは満員になることなく結構空席が目立っていた…。
スタンド2階席。天気が良けれはレースも見やすくかなり良い席。
ゴール前の屋外席。初めは入場者のチケットを確認していたが、途中から確認されることも無くなり入ってみました。忘れましたが結構な値段であったかと…。
この席からはウイナーズサークルの様子も伺えます。向こう側に見えるのがクラブハウス。食事付きの指定席などがあります。
パドックは屋内型。遠くから窓越しに見るだけなので、スタンド側からはほとんど様子がうかがえません(クラブハウス側からは良く見えそうな感じ…)。通常の開催日にパドックへ近づくことが出来るかどうかは分かりませんが、プリークネスステークス当日はマスコミのみと書かれていました。
内馬場の様子
コース下を通るトンネルからアクセス出来ます。
あいにくの雨でこちらもひとがまばら…
レースが見られるライブ会場型のスクリーンや食事の売られているテントも多くあります。
もちろん内馬場で馬券も購入出来ます
競馬場の食事
スタンド側では一般的なアメリカ食しかなく、ピザ、ホットドック、チキン、ハンバーガーなどが売られている。
プリークネスステークスのオフィシャルビールもありました。
車で帰るにしてもあと7時間ほどあるので問題無いと判断し1本だけ購入($10)。まあいたって普通のビールです…。
BLACK-EYED SUSANというお酒、グラス付きで$18。多分これこそがプリークネスステークスのオフィシャルドリンクなのかもしれません。
ちなみにGeorge E. Mitchell Black-Eyed Susan Stakes(G2)はプリークネスステークス前日に行われる3歳牝馬限定重賞。
こちらのグラスはギフトショップでも売られていました。
馬券購入
馬券は券売機および有人窓口で販売されます。券売機のほとんどが現金投入不可のもので、使用方法は馬券購入時におつりで発券されるバウチャーを使用するか当たり馬券と直接投入する。初めての場合は数少ない現金を直接投入できる発券機を見つけるか有人窓口に行くしかありません。
オフィシャルレーシングプログラムは$10(経験上、高額な入場料を支払った場合は無料の場合が多いのですが、残念ながらここは有料)。
ケンタッキーダービー馬Mystic Danの記念馬券。勝馬Seize the Greyの記念馬券は残念ながら未購入
レースの様子
芝1 1/16mileのスタート
ダート1 1/16mileのスタート
直線
以上がピムリコ競馬場プリークネスステークス当日の様子でした。
さいごに…
日本人でよくケンタッキーダービーは行かれる方はいますが(私は行ったことはありませんが…)、プリークネスステークスとなると3冠レースとは言え一般的(競馬ファン以外)にはマイナーで、行かれることは少ないのではないでしょうか。それゆえ場内で日本人とおぼしき人に会うことはありませんでした。
かつ、あいにくの雨ということもあるのか、場内はあまり混み合っておらずちょっと寂しい感じもうけました(情報では当日約47000人来場とのこと)。いつも思うことですが、現状アメリカの競馬は日本ほどの盛り上がりは無いようです。かつて1日に10万人ほどが来場したといわれるプリークネスステークスからもそれが伺えます。
ただ、アメリカのクラシック競走に来られたということは私の人生においてかけがえのない思い出になりました。
これからピムリコ競馬場は長期の改修工事にはいりますが、新しく生まれ変わった競馬場で末永くプリークネスステークスが続くことを願ってやみません。