バーボントレイル第6弾ということで、赤い封蝋で有名なメーカーズマーク蒸留所を紹介します。
バーボントレイル#5の記事は以下から
essentialquality.hatenablog.com
目次
メーカーズマーク蒸留所とは
1953年にT. William "Bill" Samuels Sr.によって購入されたバークス蒸留所が起源。旧バークス蒸留所はCharles Burksにより1805年に建てられた水力製粉所がはじまりで、その後ウイスキーの蒸留が開始された。この蒸留所は1974年に国家歴史登録財に登録され、1980年にバークス蒸留所の名で国定歴史建造物にも指定される。メーカーズマークとしてのウイスキーは1958年より出荷が始まり、当時より赤い蝋での封蝋が行われている。その後何度かオーナーが変わるが、2005年にFortune Brandsに買収され、そのFortune Brandsは2011年に分社化され、アルコール事業はジムビームのBeams inc.となる。2014年にはBeams inc.はサントリーによって買収され、現在もビームサントリーの所有となっている。
ロケーション
ルイビルからは車で1時間強。蒸留所への経路はナビがかなり狭い道を選択してくるから注意。蒸留所へ到着する直前に対向車とすれ違うことも困難な森の中を通るルートを選択させられた(Google的には一番の近道を提示したかったのだろうが…)。蒸留所周辺は耕作地と森に囲まれて自然豊かな環境。
蒸留所見学の予約
蒸留所の見学はメーカーズマークのH/Pより行う。H/P内のDistilleryのタブの中からVisit USを選択すると様々なツアーが選択出来る。
The Maker's Mark Tour ($24):スタンダードなもので蒸留工程や熟成庫を見学
Behind the Bourbon($65):より深く製造プロセスが見学出来るコース
その他ツアーもあり(詳細はH/Pから)
後ほど写真でツアーの様子を紹介するが、私の選んだThe Maker’s Mark Tourでは、残念ながらメーカーズマークの代名詞と言っていい封蝋工程を見ることが出来なかった。改めてH/Pからツアーの詳細を確認してみると、Behind the Bourbonのツアーの説明には"Bottling"の記載がされているので、このツアーを選択すれば、栓封工程を見学出来ると思われる。
以下、H/Pのツアー予約ページのキャプチャ
見学ツアーの様子
まずはビジターセンターに行き受付を行う
ビジターセンターの中は美術館のように美しい
建屋の外からツアー開始
まずは仕込み工程
ここでメーカーズマークのマッシュビルの説明を受ける。有名な話だが、メーカーズマークは一般的にバーボンで使われているライ麦の代わりに冬小麦を材料に使う。仕込み水は敷地の良質な湧水を使用。
発酵工程
木製の発酵槽が使われている。この発酵槽はメーカーズマーク以前のバークス蒸留所から使われているものらしい。昔からこの槽にいる酵母が、現在も変わらぬ風味を引き継いでいるのだと思います。
メーカーズマークのラベルをカットする工程
次は熟成庫の中へ
熟成樽の説明を受ける。樽の中を焼く話もされます。
時期を見て熟成樽の位置はローテーションされる。建屋の上部と下部では温度の違いがあり、熟成度合い、風味などが異なる。均一に仕上げる為にもローテーションは欠かせない作業。
メーカーズマーク46のライムストーン貯蔵庫
ここは熟成されたメーカーズマークの樽に、焼かれた10枚のフレンチオークの板を入れて数か月後熟させる工程。より深い樽感と複雑な風味を加えることになるのでしょう。メーカーズマーク46の"46"の意味は、この焼かれた板が46番目にオーダーしたもので、結果最良のウイスキーを生み出し、それが今も引き継がれている。
ボトリング工程
ツアーの最後は試飲
このツアーでは4種類のウイスキーの試飲が出来る
写真左から、メーカーズマーク、カスクストレングス、メーカーズマーク46、プライベートセレクト
以上がメーカーズマーク蒸留所のツアーの様子でした。
この蒸留所の一番の印象は美術館のように美しい事。訪問時が12月中旬ということでクリスマス仕様に装飾されていましたが、普段から展示されている美術品や建屋内のステンドグラスなど訪問者の目を楽しませてくれます。今回見たかった封蝋工程は見学出来ませんでしたが、それでも来て良かったと思わせるツアーでした。
最後に場内の美しい風景を