ケンタッキー州にあるケンタッキーダウンズ競馬場を訪れてみたので、その様子を紹介したいと思います。
ケンタッキーダウンズ競馬場は年間で7日間のみしか開催がないマイナーな競馬場です。ネット検索してもケンタッキーダービーで有名なチャーチルダウンズ競馬場がヒットされてしまいますし、TVゲームにも登場することが無いので、日本の競馬ファンにもあまり馴染みが無い競馬場だと思います。ただアメリカの競馬場には珍しい唯一の特徴を持つ競馬場でもあります。
目次
ケンタッキーダウンズ競馬場のロケーション
テネシー州とケンタッキー州の州境にあります(名前の通りケンタッキー州側に所在)。テネシー州は元来ギャンブル禁止の州(現在は一部のネットギャンブルは解禁)であり、州内には競馬場、カジノなどが一切存在していません。人口70万都市のナッシュビル(テネシー州州都)の需要を見込んでなのだと思いますが、ナッシュビルから車で30分ほどの場所でカジノと競馬場の複合施設として運営されています。
ケンタッキーダウンズ競馬場のH.P.
競馬場の施設
上にも書きましたが、カジノと競馬場が同じ敷地内で運営されています。宿泊施設もあります。競馬場では入場料が必要な有料エリアと無料エリアがあり、ゴール板前、パドック、スタンドは有料エリアになります(無料エリアからはパドックにアクセスすることが出来ません)。入場料も結構高額(1人:$50+税)で、H.P.から購入出来、食事、レーシングプログラム、VIP駐車場が使用出来るようです(さらに高額なエリアもあるようです)。私は事前下調べもせずに行ったので、当然有料エリアの存在も知らず、無料エリア(すべて屋外)のみしか入れませんでした。駐車場はカジノと共用になるので結構埋まっていました。
写真はH.P.から借用(日本語で一部追記してます)
有料エリアには入れませんが、駐車場からはパドックの様子が見えます。
競馬場のグルメ(無料エリア)
無料エリアにはフードトラックくらいしか食事がありません。アルコールを購入出来るブースはありました。
馬券売り場
馬券売り場、払い戻しエリアもすべて屋外のテントです。券売機も少ないので、締め切り直前は馬券が買えません。他場の馬券は購入出来ます。
レーシングプログラムは$3で購入出来ます。
観客席の様子
無料エリアはすべて屋外でベンチも設置されていません。観客は簡易シートを持ち込んでいました。
当日のレース
最初にも書きましたが、この競馬場の唯一の特徴、アメリカ競馬のメイントラックであるダートコースがありません。H.P.にはヨーロピアンスタイルと書かれています(左回りなのはヨーロッパとは異なります)。確かに雰囲気はヨーロッパの競馬場を思わせる、自然の丘陵をそのまま競馬場にしたような馬場でした。距離のバリエーションは6F、6 1/2F、1Mile、1 5/16Mile、1 1/2Mileの設定があります。
フルゲートは12頭立てで、1~12馬番までの馬に取り消しが出れば、繰り上がりで13馬番以降の馬が出走出来ます。
当日は重賞競走が6レース設定されていました。うち2レースは11月に実施されるブリーダーズカップの選定競走(勝馬に優先出走権が与えられる)になっています。
10R : The Ainsworth Turf Sprint (G2) 6F * BC Turf Splintの選定競走
勝馬:Gear Jockey(7番人気)
12R : The FanDuel Kentucky Turf Cap (G2) 1 1/2MILES * BC Turfの選定競走
勝馬:Get Smokin(10番人気)
両レースともに人気薄の馬が勝っています。
ここの競馬場の賞金水準はアメリカでダントツに高額です。G1の開催はありませんが、G2、G3で総賞金$1,000,000以上なので、日本のG2、G3よりも高額です(重賞競走以外のレースも高額)。なのでアメリカ競馬では珍しくフルゲートになるレースが多いのも特徴になります。1週前に行われたMint Millions Stakes (G3)は賞金$2,000,000でした。
以上がケンタッキーダウンズ競馬場の様子でした。
ダートコースも無い、賞金水準がダントツに高い、アメリカではかなり珍しいスタイルの競馬場です。重賞競走が6レースも設定されている当日でしたが、観客数もそう多くなく(有料エリアもしかり)、長閑な雰囲気で競馬が行われていました。どちらかというと、カジノにはお客さんが結構入っている様子です(空調も効いていて過ごし易いのもありますが…)。
そう考えると、ケンタッキーダービーは除きアメリカでは日本ほど競馬は盛んでは無いのは間違い無いですね。