(Willett Distillery)ウィレット蒸留所【バーボントレイル#12】

バーボントレイル第12弾ということで、ウィレット蒸留所の様子を紹介します。

 

 

目次

 

ウィレット蒸留所とは

 1936年に設立されたケンタッキー州バーズタウンに位置する家族経営の蒸留所で、創業者はトーマス・S・ウィレット氏(Thomas S. Willett)。当時はケンタッキーディスティリングカンパニーを名乗っていました。彼の父であるジョン・デビッド・ウィレット(John David Willett)もかつて蒸留所を所有しており、かつ生涯においてマスターディステラーを務めた人でした。

 1970年代に入ると環境規制が厳しくなり、それに対応することが出来ずにウイスキーの生産を停止。世界的なエネルギー危機などもあり1980年代には燃料用エタノールの生産をしていたようですが、ついに経営を断念。1984年にエヴァン・カールスビーンにより買収され、ケンタキーバーボンディスティラリー(KBD)へ社名変更されました。買収後は自社での蒸留は行わず、他社から原酒を買い付けて熟成し、バッティングするというボトラーズとしての事業がメイン。この時生まれたのがノアーズミルであり、現在の主力ブランドが確立されました。

 カールスビーン家による経営は軌道にのり、2012年に自社での蒸留を再スタート。2014年には蒸留所名を”ウィレット蒸留所”として現在にいたります。

 

蒸留所のロケーション(Google MAP)

 

蒸留所ツアー

 ウィレット蒸留所H/PのVISITから予約。2024年現在、ツアーはDistillery and Production Tour with Tastingのみで、料金は$26.5+手数料等。他蒸留所でみかけるプレミアムバーボン試飲するのがメインのツアーなどは設定されていません。日曜日を除き1日6回のツアーが行われています。

 

ウィレット蒸留所で生産されるウイスキー一覧(ゲストハウスの掲示より)

 

ウィレット蒸留所のH/Pのリンク

www.kentuckybourbonwhiskey.com

 

蒸留所ツアーの様子

 蒸留所に到着したらウィスキーショップ(と言ってもお客さんが入れそうな建物が少ないのですぐに分かります)へ行き、カウンターでツアーのチェックインを行う。

 

ツアー受付のカウンター

 

このツアーは全体で10数名ほど。新人のツアーガイドも見習いで一緒に参加。

 

 ガイドの自己紹介とゲストのお決まりの出身地確認が終わった後、ウイスキーを生産する建屋に向かいます。

 

 建屋に入るとウェルカムウイスキー(ポットスティルリザーブ)が振舞われます(今までいくつかの蒸留所ツアーに参加していますが、これは初めての経験)。

 

 ポットスティルリザーブの試飲が終わり皆グラスを返却し始めたのですが、これは間違いで、実はこのグラス、ツアー終了まで使用することになります。ウェルカムドリンクのみならず、試飲しながらのツアーも経験したことは無く斬新…。

 

ウィレット蒸留所は家族経営ですので、写真で経営者一族の紹介がされます。

 

その後、3つのオールドバーズタウンの中から1つを選択して試飲することが出来ます。

 

家族の説明が終わるといよいよ生産工程の説明と見学になります

 

使われる材料の紹介と粉砕工程、糖化工程の説明

 

ウィレット蒸留所のマッシュビル

①オリジナル(バーボン):コーン72%、ライ麦13%、大麦麦芽15%

②ハイコーン(バーボン):コーン79%、ライ麦7%、大麦麦芽14%

③ハイライ(バーボン):コーン52%、ライ麦38%、大麦麦芽10%

④ウィーテッド(バーボン):コーン65%、小麦20%、大麦麦芽15%

⑤ハイライ(ライウイスキー):コーン11%、ライ麦74%、大麦麦芽15%

⑤ローライ(ライウイスキー):コーン34%、ライ麦51%、大麦麦芽15%

*BSDN様のブログより

 

マッシュタン(糖化槽)

 

発酵工程

こちらは金属製の発酵槽が使われています

 

発酵は4日間と言っていたはず…

 

蒸留工程

こちらを模してポットスチルリザーブの容器が作られているのでしょうか…

 

この単式蒸留器の前で記念撮影にも応じてもらえます。

連続式蒸溜機もどこかにあるのでしょうが、見当たりませんでした。

 

樽詰め工程

 

ここで3度目の試飲をさせてもらえます

ジョニードラムケンタッキービンテージのうち1つ)

 

熟成に使用される樽の説明(ホワイトオークとチャーについて)もされます。

 

この後は熟成庫に向かいます

 

熟成工程

 

熟成庫では4度目の試飲(ローワンズクリークピュアケンタッキーのどちらかを選択)

 

最後はウィスキーショップのテイスティングルームにて試飲

ファミリーエステートノアーズミルのどちらかを選択

 

チョコレートもいただけました


 この試飲のあとに当日誕生日の人がいて、もう1種類特別に試飲させていただけました(誕生日の人が居なかったら試飲させてもらえるのかどうかは不明…)。写真は撮れませんでしたが、黒紫のボトル色からして”ウィーテッドバーボン8年”と思われます。

 

以上でツアー終了です。

 

 テイスティングルームのとなりはギフトショップとなっており、現在生産されている一通りのウイスキーを購入することが出来ます。

 

以上がウィレット蒸留所の見学ツアーの様子でした。

 

   試飲しながらのツアーというのは珍しく、かつファミリーエステート、ノアーズミルなど蒸留所で一番高価帯なプレミアムバーボンも試飲させていただけるので参加者も満足出来るのではないでしょうか。

施設も工場という感じは無くクラフト蒸留所を感じさせるものでした。ここから世界で評価されているバーボンが生み出されているのは感慨深いです。

蒸留所では何匹かの飼い猫がいるようで、いたるところで遭遇します。こういうところもアットホームな家族感が伝わってきて良いところでした。

 

最後に蒸留所で撮影した写真を何枚か

 

バーボントレイル第11弾(フォアローゼズ蒸留所)の記事はこちらから

essentialquality.hatenablog.com